中国で発展してきた新しい鍼療法のひとつに、「耳鍼療法」という物がある。専 門的な技術がさほどいらず、適応できる症状も数多いので、最近とくに注目されている。耳鍼療法は中国ではかなり古くからあり、診断、予防、治療と活用範囲は広く、副作用も少ないと言うことが一般大衆のあいだでも認められてきた。
耳にはじつに沢山のツボがある。この耳ツボに針など先がとがっている物で刺激をくわえ、治療するのが耳鍼療法である。(整体師は鍼灸の資格がないため、耳ツボを施術する場合には粒鍼(マグレイン)を使用する)
また、鍼でなくとも、マッチ棒やつまようじを使って治療することもできる。つまようじを使用するときは、ようじの先を少し削るか、ようじの先ではなく頭のほうを使えば、耳を傷つける心配はない。
自分で行うときは、最初にツボの部分にサインペンでマークをしてから施療するとよい。
症状による耳ツボの位置は以下のページの図を参照してください。
人体のツボの位置が人によってわずかながら異なることは周知の事実だが、それは耳のツボについても同じである。人によって身長や体重が違うように、耳も形や大きさが違うのだから当然のことと言える、また、若い人と高齢者でも少し違い、同じ人でも乾燥した日や湿気の多い日、気温の高い日や低い日によってもいくらか変化する。
もちろん図は反応点を見つける上で、参考になるはずである。
虚弱体質の人や、荘でなくとも過度の疲労状態にある人、妊娠中の女性は、耳鍼療法は避ける方が良い。また心臓の弱い人は、両耳のツボを用いないようにして、ちりょうにあまり長い時間をかけないようにすることが大切である。
次回にある耳のツボを熱心に治療するあまり、長時間行ったり、強くやり過ぎると炎症を起こすことがある。ツボどころやその数位が赤くなったり、熱寒を感じたら刺激をやめる。
1日たって刺激前と同じ状態に戻ったら前日の刺激と同程度かやや弱めにおす。強くしたからといって効果が高いとは限らないので、よく心得ておきたい。
これは全般に言えることだが、耳鍼療法はおしている時間を長くするよりは、短い時間でおす回数を多くした方が効果があるようである。
参考資料に加筆修正しました。